~医療・健康に関するコラム~
- # 19
- 2013-2-26
- 風邪について朝まで語ろう
こんにちは。もうすぐ春も間近ですが、まだ寒い日が続きますね。ちょっと暖かくなってきて、いよいよ春かぁと思ったら次の日雪が降ってきて急に寒くなったりして冬に逆戻りして…私の人生と同じです(笑)。
さて最近診療していると風邪をひいている人、又は予防の為にマスクをしている人が多く見かけられますので、今回は風邪についてQ&A方式で語っていきたいと思います。
それでは行ってみよ~!Q1:「寒い」から風邪をひきやすいってホント?
A:そんなことはありません。
「こんなに寒いと風邪をひいちゃう~!」一見もっともらしいセリフですが、そうなると北海道や東北の方は風邪をひきやすいという理論が成り立ってしまいます。
風邪をひく原因は「温度差に身体が対応できないから」です。自律神経は免疫力に深く関与しています。気温の変化の影響で自律神経の調整がうまくいかなくなるのです。
ちなみに自律神経のうち身体のスイッチONの役割を果たし、体温と血圧を上昇させるのが交感神経、スイッチOFFで体温と血圧を低下させるのが副交感神経。
季節の変わり目は急に暑くなったり寒くなったり、また暖房の効いた暖かい場所や冷たい外を行き来することにより自律神経のバランスが乱れて、結果的に免疫力の調整がうまくいかず風邪をひきやすくなるのです。Q2:男性より女性の方が風邪をひきやすい?
A:そうです。女性は男性よりも筋肉が少ないのが原因です。
筋肉が少ないということは血液のポンプの働きが弱くて循環が良くないので、ウイルスに対抗する成分を身体の隅々に送ることができません。筋肉があると体温も上がりエネルギーを燃やしやすい身体になるので風邪をひかないともいえます。
ちなみに人の体温を維持しているのは65%が筋肉、25%が内臓、10%が首周囲の脂肪です。首にマフラーを巻くと暖かいと感じますね。それは10%のせい。
そう考えると筋肉はとても重要で、身体の6割以上を占める足腰の筋肉をつけることが一番の風邪の予防なのです。Q3:風邪をひいたら汗をいっぱいかけば治る?
A:以前音楽番組に出演していた藤井フミヤが「風邪をひいた時にサウナに行ったり、あと寝るときに毛布で体をグルグル巻きにして汗をかいたら一日で治ったぜ」とドヤ顔で自慢していたのですが、極端ですが理論的には正しいです。
身体に風邪のウイルスが入ってくると体温を上げることで血行を良くして身体が対応する。ただしこれは体力のある方向けで、体力のない方はへばってしまうのでやらない方がよいです。
体力がない人は栄養があるものを食べて寝るのが一番です。
消化のいいうどんにショウガを入れて食べるとか、暖かい番茶、ほうじ茶、紅茶、ホットコーラがおススメ。コーヒーや緑茶は一瞬は身体を暖めますが、結局は身体を冷やすので風邪のときにはあまり飲まない方がよいでしょう。Q4:マスクをすれば風邪は予防できるのか?
A:人に風邪をうつさないためのエチケットとも言われるマスクですが、マスクでは風邪の原因となるウイルスを完全に阻止することは出来ません。
一回ゴホンと咳をすれば、風邪の原因ウイルスは秒速10メートルもの猛スピードでマスクの外に飛び出していきます。
ウイルスをサッカーボールに例えると、マスクの穴(織り目)は、なんとサッカーコートくらいの大きさです。
ただマスクの内側には呼吸のたびに湿気がたまり、のどや気道の乾燥を防ぎます。ウイルスは湿気が苦手で、湿度が高い環境では増殖力も弱まります。なので風邪の予防にはマスクは「何もしないよりマシ」くらいに考えるのがよいでしょう。
ちなみに風邪やインフルエンザ、ノロウイルスをとにかく強力に予防したいのであればマスクを二枚用意して、マスクとマスクの間にウエットティッシュを挟んで着用するのが有効です。
ただこれは「息が少ししづらくなる」や「メガネをかけていると暖かい息が上がってきて曇る」といった欠点もありますが…Q5:風邪薬は高価な方が治りやすい?
薬局で風邪薬を選ぶときに値段が様々なものが売っているが、どうしても早く治したい時には一番高いものを選べばよいのだろうか?
答えはNOでありYESとも言えます。
まず風邪薬に治す効果はありません。インフルエンザなどのように限られたウイルスに効く薬はタミフルがありますが、風邪のウイルスすべてに効く薬はありません。
風邪のウイルスは200種類以上あると言われており、風邪の原因は違っても同じような症状(熱、咳、鼻水など)がでるので、その症状を緩和させる薬しかないのです。
点滴も効果があると言われていますが、脱水症状を和らげているだけなので、風邪を治している事にはなりません。これがNOの考えです。
しかし「病は気から」という言葉があるとおり、人間の身体というのは医学的な理屈だけでは説明できない部分もあります。
実際医学的に効果がない薬でも「高い薬だから効果もきっと高いに違いない」という錯覚と確信を持って飲めば良くなることも十分考えられます。これがYESの部分です。
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