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「様子を見る」の愚

医療機関に行って診察が終わって、「これで一旦様子を見て下さい」と言われることがあります。もちろん的確な処置を行った後は「日にち薬」で快方に向かうことも多々あります。

様子を見るしかし、「様子を見る」と言うのは、少し意地悪な言い方をすると「何もしない」と同義語であったりします。やるべき事を行った後で「様子を見る」のであれば、それは正しい選択だと言えますが、中には検査や治療を受けるのが面倒臭いので、何もしない「様子を見る」をする人がいます。これは大変愚かな事であると松永は考えます。

当院でのあるエピソードを御紹介します。

50代男性で股関節を痛めている方でした。当院での最初の見立ては「骨盤、股関節の歪みにより引っかかり感が生じ、それが痛みに繋がっている」というものでした。何回か施術を繰り返して痛みが10→5までになったのですが、そこから先の痛みが5から減らないのです。この結果を踏まえて私が「これは歪みだけの問題でなく、股関節内部に病変があるかもしれないので、一度病院で詳しく検査してもらった方が良い」と伝えました。しかしこの方は病院に行くのが面倒臭かったらしく、「しばらく様子を見たい」と言って患部を半年近く放置してしまいました。

関節唇損傷半年が経ち痛みが引かない為、病院で検査してもらったところ「関節唇損傷」という診断を受けました。この「関節唇損傷」とは、股関節を支えている軟骨に傷が入って痛みが生じるもので、ダウンタウンの松本人志さんが同じ症状に罹り手術しています。これは整体でどうこうなるものではなく手術案件なのですが、半年近く放置してしまった為に患部周囲に油が溜まってしまい、手術の難易度が上がってしまったのです。その診断を受けた後に私に「どうしたらいいんだ~」と泣きついてきましたが、手術案件である以上私にどうすることも出来ません。せめて早く病院に検査に行ってくれればという思いで一杯でした。

頑固こういう方は、どちらかというと中高年の男性に多いです。口をへの字に曲げていて、ちょっと頭の悪そうな頭の堅そうな方。自分の健康に変な自信をもっている方。こういった現象を「正常性バイアス」といいます。「正常性バイアス」とは、自分にとって何かしらの被害が予想される状況下であっても、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」などと過小評価することにより、重大な疾患を見逃す原因になったりすることです。

これは病院嫌いのオッサンによく見られる陥穽(かんせい)です。身体に痛みがあって、奥さんから「病院で検査してもらったら?」と言われたにも拘わらず、「うるせ~、俺は今まで病気もせず医者にも掛からず、この年まで生きてきたんだ~」や「ただの疲れだから、暫く寝ていれば治るだろ」と叫びます。しかし、痛みが我慢できなくて病院で渋々検査を受けたら、癌が進行していて大変な状況になっていることが解かり、急に狼狽し始めるというものです。

では、どうしたら良いのか?

当院で私が「これは一度病院で検査を受けて下さい」と言ったら、素直に従って頂くことを強く勧めます。私もこの業界に入って2021年で20年近く経ちますが、その間に「症状が起きている原因は何か?」という事を、ずっと深く掘り下げて分析してきました。そうすると、「これは整体では難しい疾患だな」や「痛みの出方が変なので、深部に何か異変があるのかも」という見立てがしやすくなります。よく、「自分の身体は自分が一番良く解っている」とかいう世迷言を吐く人もいますが、それが本当ならとっくの昔に大半の病院は廃業しているはずです。医学知識が無い素人の考えに固執することなく、「餅は餅屋」で専門家の指示に素直に従った方が後悔は少ないかと思います。

例えば寝違えの処置の様に、整体で首のバランスを調整した後、自宅で首をアイシングすることで「様子を見る」はOKですが、症状の原因がはっきり解っていないのに、何もせず「様子を見る」というのは完全な愚行であると強く申し上げておきます。原因が解からず、いつまでも緩和しないことが普通の感覚の持ち主だったら、気持ち悪いと思うはずです。

MRIもし病院で検査をしてもらって、特に異常が無かったと言われたとします。当然ながら検査費用が発生しますが、それは安心料と考えた方が賢明です。腫瘍等大きな異常が無かったと判っただけでも気持ちの上でホッとしますし、その安心感だけで痛みが軽減することもあるのですから。

 

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