~医療・健康に関するコラム~
- # 01
- 2011-11-8
- 名画が養う医師の観察眼
名探偵シャーロック・ホームズの生みの親、コナン・ドイルは、もともと医師でした。
ドイルがホームズのモデルとしたのは、エディンバラ大学医学部時代の恩師、ジョーゼフ・ベル教授です。
ベル教授は卓越した観察眼と推理力で患者を見るなり、たちどころにその病気を診断し、患者が診察室に入ってくる時の様子を観察しただけで、その出身地・職業・個人的体験までをも見事に言い当てたと言われています。
ベル教授は、観察眼と推理力は訓練によって高めることが出来ると学生達を厳しく指導しました。
ドイルがベル教授に出会ってから120年以上が経ちますが、現在でも注意深い問診と診察をすれば、複雑な検査に頼らなくても患者の8割で正確な診断に到達できると言われ、医師の眼力の重要性は変わっていません。
しかし、具体的にどのような訓練を施したら、ホームズやベル教授級の眼力が備わった医師を育てることが出来るのでしょうか。学生達の医師としての眼力を高めようと、イェール大学(米国でハーバード大学と双璧をなす超一流大学)では医学部の学生達に「名画鑑賞コース」の履修を必修化しています。
このコースで、学生達はただ名画を「鑑賞」するのではなく、一枚の絵からどれだけの情報が読み取れるかを徹底的に訓練させられます。
例えば、レオナルド、ダビンチの「最後の晩餐」を見せられた学生達は
■中央のキリスト以外の12人はそれぞれどんな感情を抱いているのか?
■1日のどの時間帯か?
■テーブルの上に載っている食事は一体何か?
■キリストが「12人の中に裏切り者がいる」と言うが、それは誰か?
といった設問に根拠を示しながら答えなければいけないのである。
イェール大学医学部によると、この名画鑑賞コースを履修した学生は、履修しなかった学生に比べて明らかに診断能力が勝り、だからこそ履修を必修化したとのことです。
私のような平凡な人間でも、今から真剣に名画を「鑑賞」すれば、少しはホームズやベル教授の領域に近づくことができるかも知れない。
そんな思いで私は休み時間に診察室に掛けられた「最後の晩餐」を見ています。
ちなみに当院は月が替わるごとに絵を違うものに架け替えていますが、肩こりや腰痛など自分の症状のことで余裕がないのか、それに気づく方は極めて少ないです(涙)
まぁ自分の見立ての能力が上がれば絵画代は十分に元が取れると信じています。
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